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オーストラリアでの子宮頸がんワクチン無料接種について
2024-08-25

オーストラリアに住んでいる12歳から25歳までの若者(男女ともです!)は、子宮頸がんワクチン(Gardasil 9)をGPクリニックで接種することが可能となっています。オーストラリア在住者の方へのワクチンは政府からの公費で補助されるため、ワクチン費用は無料となり、自己負担は診察費のみです。最新のデータを元に国の推奨方針が最近アップデートされ、この年齢層の方の子宮頸がんワクチン接種は1回のみで完了ということになりました。
25歳以上の方がプライベートでの子宮頸がんワクチン接種を希望する場合、ワクチンをご自身で購入する必要があります。自己負担額は1本につき$250ほどで、6か月間に3回の接種が必要です。合計$750プラス診察費用がかかります。
日本でもようやく近年になって子宮頸がんのワクチン接種が推奨されるようになってきましたが、対象期間を過ぎると全額自己負担となり、公費の補助がない場合の接種費用は、3回接種で約8~10万円ほどかかるようです。子宮頸がんを引き起こすヒトパピロマウイルスは男女ともにかかる性病ウイルスなのですが、日本ではまだ接種の対象は女性のみとなっています。
子宮頸がんはヒトパピロマウイルスの性感染症による細胞の変化によって引き起こされる病気です。性交渉前に男女ともに子宮頸がんワクチンを受けておくことで、将来自身や大切な人が子宮頸がんや性病によるいぼなどにかかるリスクを大幅に減らすことが出来ます。日本では現在も多くの女性が子宮頸がんにかかっていますが、ワクチン接種が進んでいるオーストラリアでは、2035年までに子宮頸がんを撲滅させる計画が達成される見通しです。
オーストラリアに滞在中のワーホリさんや学生さんでまだ子宮頸がんワクチンを受けていない方は、ぜひこの機会にクリニックでのワクチン接種をご検討ください。

Dr Mayumi Yoshida
吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧
MBBS, BMedSci, MRCGP, DFSRH (UK), FRACGP (Australia), ECFMG(USA)
福岡県福岡市出身。16才の時に渡英。2003 年に英国ノッティンガム大学医学部を卒業、イギリスの医師免許を取得。2007年にアメリカの医師免許資格(ECFMG Certificate)を取得。2014年に英国オックスフォードで総合診療医/GP課程を修了、イギリスとオーストラリア両国のGP資格を保持する。2024年に日本の医師国家試験に合格し、現在イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本の4か国における医師国家資格を有する。