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乳がんセルフチェックと乳がん検診のおはなし
2025-09-05
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乳がんは、10人に1人の女性がかかるとされていますが、小さいうちに見つけると、治る可能性の高い病気です。乳腺のセルフチェックは早期の乳がんの発見に役に立ちます。自分ではよくわからないんだよね、と思うかもしれませんが、日頃から自分の乳房の状態を知っておくことで、しこり等の変化があった時にはすぐに気が付くことが出来ます。セルフチェックの頻度は月一で大丈夫です。生理が終わったタイミングなどでやってみましょう。乳がんの4割は自身でしこりに気づくことで見つかります。自身での定期的なチェックは、特に、がんの進行の早い若い世代の方にとっては、とても大切なスクリーニングです。ピルを飲んでいる人も、飲んでいない人も、ぜひ毎月の習慣として、胸とわきの下のリンパのセルフチェックをやってみてください。
色々な動画も出ていますが、セルフチェックのポイントとしては
鏡の前での観察 ―手を腰に当てる、それから腕を上げ下げして胸の形を観察しましょう
立位で触ってみる ―指先を使って胸全体、乳首の奥、それからわきの下までチェックします
横になって触ってみる ―仰向けになって胸を胸壁に押し付けるように触った方が、しこりが見つけやすい場合もあります
セルフチェックでしこりやくぼみ、赤み、痛み、乳首からの出血などの変化に気が付いた場合は、早めにGPを受診して、詳しく調べるために乳腺の超音波検査(Breast Ultrasound) を受けましょう。 また、家族に乳がんの病歴がある方にも、健康診断の一環としての定期的な超音波検査をお勧めいたします。
超音波検査の結果をふまえて、場合によっては、確定診断をつけるために、生検(Biopsy - 小さな針を刺してサンプルを摂取します)を行うこともあります。良性と思われるしこりでも、経過観察のために半年から1年後のフォローアップを行う場合もあります。悪性が疑われる場合は、GPから乳腺外科への紹介状を出すことになりますが、オーストラリアでは日本と同様に非常に高い水準の医療を受けることが出来ますので、状況に応じて日本もしくはオーストラリアでの治療を選択することが可能です。
オーストラリアでは、40歳以上の方を対象に、マンモグラフィーでの定期検診が推奨されています。メディケア国民保険を持たない外国人に対しても、40歳以上であれば無料のマンモグラフィー検査が提供されています。最寄りのショッピングセンター内などに検査機関があります。オンラインで簡単に予約することが出来ますので、ぜひ受けてみてください。
QLD州にお住まいの方は、こちらから予約できます! https://www.breastscreen.qld.gov.au/make-an-appointment

Dr Mayumi Yoshida
吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧
MBBS, BMedSci, MRCGP, DFSRH (UK), FRACGP (Australia), ECFMG(USA)
福岡県福岡市出身。16才の時に渡英。2003 年に英国ノッティンガム大学医学部を卒業、イギリスの医師免許を取得。2007年にアメリカの医師免許資格(ECFMG Certificate)を取得。2014年に英国オックスフォードで総合診療医/GP課程を修了、イギリスとオーストラリア両国のGP資格を保持する。2024年に日本の医師国家試験に合格し、現在イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本の4か国における医師国家資格を有する。