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  • オーストラリアの電子処方箋e-Scriptシステムについて

    2025-11-07

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    オーストラリアの電子処方箋e-Scriptシステムについて

    電子処方箋 e-Scriptとは?

    オーストラリアのGPや病院では、デジタルの処方箋を貰うことができます。携帯のSNSやメールにQRコードで処方箋が届くので、オンライン診察の際にとても便利です。オーストラリアのどこの薬局でもお薬を出してもらえます。通常の対面診察の際にも、電子処方箋を希望することもできます。

    長期服用が必要なお薬の場合

    お薬の長期服用が必要な場合には、リピートの処方箋を出してもらいましょう。お薬によってどの程度処方が可能かは異なりますが、例えばピルなら1年分、血圧やコレステロールのお薬なら半年分の継続処方が可能です。リピートの処方箋では、一度処方箋を出してもらってしばらくした後に、追加でお薬を購入することができます。一度に出してもらえるお薬の数には制限がかかっていますが、お薬が切れる前に再購入できる仕組みになっています。

    リピートの処方箋が出たら

    リピート付きの処方箋では、最初にお薬をもらった時点で、そこの薬局から次の分のQRコードが届くシステムになっています。万が一間違えて処方箋を消してしまっても、その薬局に問い合わせればQRコードを再送してくれるのでとてもありがたいです。スクリーンショットですぐに保存しておけば、紙媒体の処方箋と違って、紛失のリスクもありません。

    新しく届いたQRコードは前回と違う薬局に持って行くことも可能です。オーストラリア中どこの州も同じシステムになっているので、引っ越しや旅行などで都市移動をしても問題ありません。

    電子処方箋を受け取るにはIHI番号が必要!

    電子処方箋をご希望の場合は、個人情報を携帯に紐づけるためのIHI番号を取得していただくことになります。メディケアを持たない学生さんやワーホリさんでも、パスポート番号でIHI の申請は簡単にできます。IHI番号申請に関しては、こちらのリンクをご参照ください。

    Youtube動画 https://www.youtube.com/watch?v=mPUvIhxs2IU
    Instagram https://www.instagram.com/p/DAcTWtwz3jv/?img_index=1

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  • オーストラリアでのダイエットと「痩せる注射」オゼンピックやマンジャロの危険性について

    2025-10-24

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    オーストラリアでのダイエットと「痩せる注射」オゼンピックやマンジャロの危険性について

    海外生活は太る?

    日本からオーストラリアに来ると、食生活の違いで、体重がみるみるうちに5キロくらいは増えてしまうことが本当によくあります。海外で生活をしていると、一回の食事の量も多いし、残すのも悪いし、周りの人たちに合わせて食べ過ぎたり、節約のためについつい安価なジャンクフードに走ったりもしがちです。日本人にとって慣れ親しみのない食生活の中でどうにか幸せを得ようとすると、満足感を満腹感に置き換えるしかないのでやっぱりお腹いっぱい食べてしまうことになります。
    若者の場合はそれでも、帰国してヘルシーな日本食に戻ると体重も落ち着いてくるので、そんなに心配はいらないと思います。オーストラリアに長く滞在する場合でも、一日三食しっかり健康的なお野菜多めの食事を摂りつつ、おやつや夜食、お酒を控えて、毎日体重計に乗りながら一日20分ほどの運動習慣を取り入れていけば、そのうち体重も減ってくるはずなのできっと大丈夫です。

    「痩せる注射」の危険性

    ただ最近、日本の留学生から、痩せる注射、マンジャロやオゼンピックの処方について相談されることが増えてきており、とても懸念しています。
    スタイルが良く、美容体重だったりする子達でも、こちらに来てから体重が増えたから、と処方をお願いされたりします。日本では今流行っていて周りの友達も使っているから、ちょっとお高いけれどもなんとなく試してみようかな、と思ってしまうようです。

    けれども、これらのいわゆる痩せる注射は、あくまでも肥満体型の方や糖尿病の患者さんの治療に使われるものであって、標準体型の方が使うのはとても危険です。色々な副作用も報告されています。肥満体型の方でも、減量に成功して標準体型になった時点で投薬は中止するべきお薬でもあります。痩せている方への不適切な服用は、生理が来なくなったり、肌や髪や骨がボロボロになったり、免疫力が落ちて病気がちになったり、栄養失調になったり、拒食症になったり、将来妊娠できなくなったりするリスクがあります。そして、薬を止めると体重は大体リバウンドしてしまうので、瘦せていないと、という強迫観念に囚われるとずっと注射が手放せなくなってしまいます。

    オーストラリアで体重を落としたい方へ

    標準体型で、医学的に見ても体重を落とさないでいい方が、気持ちが悪くなって美味しい食事を楽しむことが出来なくなるような薬をあえて体内に入れる必要はありません。無理なダイエットや良くない注射に頼らずに自分を大切にしてあげてほしいと心から思います。

    それでもどうしてもオーストラリアでダイエットを成功させたい!と思う方は、肥満外来の専門の医師や栄養士さん、運動療法士さんのサポートのもとに、健康的な減量を提案することが可能ですので、ぜひ当院までご相談ください。

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  • マイノリティーのクリニックにおける、海外でのDV被害についての取り組み

    2025-09-26

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    マイノリティーのクリニックにおける、海外でのDV被害についての取り組み

    診察の際のパートナーの付き添いについて 

    オーストラリアにおいては日本人はマイノリティーです。日本人女性がワーホリや留学でオーストラリアに来て、現地で出会ったパートナーと一緒になるケースは、私や当院スタッフを含めてとても多いです。もちろん上手くいっている家庭も多くありますが、そうでないケースも同じくらいあります。国際恋愛や国際結婚においては、パートナーの母国に住む女性にDVやハラスメントなどの問題が起きるリスクは通常の対等な関係よりもとても高く、離婚率の高さやDVやハラスメントの多さが問題視されています。

    DVの本質は、加害者が相手の自由や権利を奪い、支配する行動パターンにあります。このことを示す概念が「強圧的コントロール(coercive control)」です。近年になってようやく、精神的DV、モラハラ、強圧的コントロール(coercive control)は深刻な問題かつ重大な犯罪であると社会的にも認められるようになりました。私たちの住むクイーンズランド州では2025年5月より、強圧的コントロールは犯罪であるという法律が施行されています。

    言葉や文化も違い、家族も友人とも離れて暮らす海外での生活においては、精神的DVは外からは分かりづらい場合も多く、見落とされがちです。中には、自分がDV被害者であるという自覚症状のないケースも多くあります。母国語で自由に話せる当院クリニックでの診察は、そういったケースを発見できる数少ない機会でもあります。

    当院では、社会的に弱い立場的にある、異国に暮らす女性を多く診察しています。患者さんの中には、自覚のあるなしに関わらず、DVの被害者が来られることもあります。そのような方々をサポートしていくのが、私たちスタッフの願いです。

    このような背景を踏まえた上で、当院での診察の際は、基本的にはパートナーの方の診察室への同伴はご遠慮していただいております。患者さんがパートナーの同伴を希望される場合は、まずは患者さんのみ入室していただき、医師が患者さんご自身による同意をしっかりと確認した上で、改めてパートナーの方を診察室にお呼びいたします。なお、スタッフや患者さんに対して威圧的な態度を取るパートナーの方については、スタッフや患者さんの安全のために、診察時の同席をお断りする場合もあります。ご理解いただけますと幸いです。

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  • 乳がんセルフチェックと乳がん検診のおはなし

    2025-09-05

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    乳がんセルフチェックと乳がん検診のおはなし

    乳がんは、10人に1人の女性がかかるとされていますが、小さいうちに見つけると、治る可能性の高い病気です。乳腺のセルフチェックは早期の乳がんの発見に役に立ちます。自分ではよくわからないんだよね、と思うかもしれませんが、日頃から自分の乳房の状態を知っておくことで、しこり等の変化があった時にはすぐに気が付くことが出来ます。セルフチェックの頻度は月一で大丈夫です。生理が終わったタイミングなどでやってみましょう。乳がんの4割は自身でしこりに気づくことで見つかります。自身での定期的なチェックは、特に、がんの進行の早い若い世代の方にとっては、とても大切なスクリーニングです。ピルを飲んでいる人も、飲んでいない人も、ぜひ毎月の習慣として、胸とわきの下のリンパのセルフチェックをやってみてください。

    色々な動画も出ていますが、セルフチェックのポイントとしては
    鏡の前での観察 ―手を腰に当てる、それから腕を上げ下げして胸の形を観察しましょう
    立位で触ってみる ―指先を使って胸全体、乳首の奥、それからわきの下までチェックします
    横になって触ってみる ―仰向けになって胸を胸壁に押し付けるように触った方が、しこりが見つけやすい場合もあります

    セルフチェックでしこりやくぼみ、赤み、痛み、乳首からの出血などの変化に気が付いた場合は、早めにGPを受診して、詳しく調べるために乳腺の超音波検査(Breast Ultrasound) を受けましょう。 また、家族に乳がんの病歴がある方にも、健康診断の一環としての定期的な超音波検査をお勧めいたします。

    超音波検査の結果をふまえて、場合によっては、確定診断をつけるために、生検(Biopsy - 小さな針を刺してサンプルを摂取します)を行うこともあります。良性と思われるしこりでも、経過観察のために半年から1年後のフォローアップを行う場合もあります。悪性が疑われる場合は、GPから乳腺外科への紹介状を出すことになりますが、オーストラリアでは日本と同様に非常に高い水準の医療を受けることが出来ますので、状況に応じて日本もしくはオーストラリアでの治療を選択することが可能です。

    オーストラリアでは、40歳以上の方を対象に、マンモグラフィーでの定期検診が推奨されています。メディケア国民保険を持たない外国人に対しても、40歳以上であれば無料のマンモグラフィー検査が提供されています。最寄りのショッピングセンター内などに検査機関があります。オンラインで簡単に予約することが出来ますので、ぜひ受けてみてください。

    QLD州にお住まいの方は、こちらから予約できます! https://www.breastscreen.qld.gov.au/make-an-appointment

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  • 紫外線による肌の老化対策 美肌を守るオーストラリアのスキンケア

    2025-07-05

    #オーストラリアの医療情報 #ブログ

    紫外線による肌の老化対策 美肌を守るオーストラリアのスキンケア

    太陽のさんさんと降り注ぐ南の国オーストラリアでは、冬でも紫外線対策が必須です。お肌を守るために、しっかりとSPF高めの日焼け止めクリームを塗っていきましょう。海や屋外では4時間ごとに塗りなおしてください。長袖、サングラス、つばの大きめの帽子や日傘も紫外線予防にとても役に立ちます。紫外線の他には、たばこや過度のアルコール、無理なダイエットによる栄養失調もお肌にとって大敵です。

    紫外線によるダメージを受けやすいオーストラリアでは、日本に住んでいる時以上に、日常生活においても肌をきちんと気遣っていくことが大切です。例えば、体格や活動量にもよりますが、1~2リットルの水を毎日飲むことは、肌のハリやトーンの維持にとても効果的です。また、ビタミン、抗酸化食品、良質な資質を含む食事も、長期的に見て肌の健康に大きく関わってきます。

    2025年現在、シミ、しわ、くすみに実際に効果があるとされる最先端の研究結果を踏まえた、オーストラリアの皮膚科、美容外科専門医イチ推しのアンチエイジング・抗酸化作用のある美容液成分をご紹介します。

    【市販のアンチエイジング】

    年齢とともにシミ、しわ、くすみなどが気になってきたら、まずは市販の美容液や保湿クリームを試してみましょう。薬局では、海外の有名ブランドの製品が日本よりも安く購入できる場合もあります。また、ブランドにとらわれずに、成分とお値段で購入を考えてみても良いかと思います。

    ☆☆☆☆☆ バクチオール Bacuchiol

    ☆☆☆☆☆ レチノール  Retinol

    ☆☆☆☆☆ ナイアシンアミド (ビタミンB3)Niacinamide

    ☆☆☆☆☆ アスコルビン酸 (ビタミンC) Ascorbic acids

    【病院の処方箋でのアンチエイジング】

    オーストラリアでは、日本では皮膚科や美容外科で出されるトレチノインクリームやトラネキサム酸の錠剤などの処方箋も、かかりつけのGPで出してもらうことが出来ます。強いお薬には副作用もあるので医師による診察とフォローアップが必要です。GPで診察を受けてから、必要であれば皮膚科や美容外科専門医に紹介状を出すことも可能です。肌の美容やトラブルに関しても、先ずはお気軽に当院までご相談ください。

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