ブログ – #ブログ
日本脳炎の海外での小児予防接種について オーストラリアの場合
2024-11-22

日本では3歳から受ける日本脳炎の予防接種は、オーストラリアの小児予防接種プログラムには入っていません。こちらに滞在中のご家族からは、日本脳炎のワクチンをオーストラリアで受けることが出来るかというお問い合わせをよくいただきますが、オーストラリアで入手可能な日本脳炎のワクチン(2回接種)は、日本のもの(4回接種)とは別物で、互換性はありません。そのため、当院では日本に帰国の際に接種をするようにご案内しています。
海外製の日本脳炎ワクチンは、日本で接種されているより安全で有効な国産ワクチンとの 互換性は証明されておらず、打ち直しとなりますのでご注意ください。
詳細につきましては、こちらの資料をご参照ください。2017年に外務省の福利厚生室より頂いた情報です。
https://www.meitetsu-hospital.jp/app/wp-content/uploads/2019/12/yobou_144.pdf
オーストラリアのクリニックで日本脳炎のワクチン接種を受けても、帰国の際にはノーカウントとされ、さらに4回の予防接種が必要となります。こちらでわざわざ高額のワクチン費用と診察費用を払って2回も痛い注射を受けさせる意味はなさそうです。海外では日本で流通している国産ワクチンは入手できないため、日本脳炎のワクチン接種については、日本にご帰国の際に予防接種を受けるようにしましょう。
ちなみに、結核の予防接種、BCGワクチンは、そのほかの接種スケジュールにある他のワクチンと同様に、日本のものとの互換性が確立されておりますので、オーストラリアで受けても、帰国の際に日本で受けてもらっても大丈夫です。日本では大体9か月頃にスケジュールが組まれておりますが、BCGは生後すぐから受けることが可能です。一時帰国中の受診の可否や金額は各自治体によって異なりますので、詳細につきましては日本の小児科にお問い合わせください。
小児定期予防接種については、お子様のために信頼できる医師またはウェブサイトから正しい情報を収集した上で、オーストラリアにいる間はこちらのプログラムに沿って、現地の子供達と同じタイミングで定期予防接種を受けていきましょう。

Dr Mayumi Yoshida
吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧
MBBS, BMedSci, MRCGP, DFSRH (UK), FRACGP (Australia), ECFMG(USA)
福岡県福岡市出身。16才の時に渡英。2003 年に英国ノッティンガム大学医学部を卒業、イギリスの医師免許を取得。2007年にアメリカの医師免許資格(ECFMG Certificate)を取得。2014年に英国オックスフォードで総合診療医/GP課程を修了、イギリスとオーストラリア両国のGP資格を保持する。2024年に日本の医師国家試験に合格し、現在イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本の4か国における医師国家資格を有する。