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Could I get a Chaperone? 海外の医療現場でのシャペロン制度について 

2025-01-11

#オーストラリアの医療情報 #ブログ

Could I get a Chaperone? 海外の医療現場でのシャペロン制度について 

シャペロン(Medical Chaperone)とは、診察時における同席者のことです。観察者(Medical Observer)とも言われます。

オーストラリアや英国、アメリカなど、海外の先進国の医療の場においては、医師が診察時に患者さんの体のプライベートな部位を診察する必要がある場合には、同席者(シャペロン)をつけることが適切であり望ましいとされています。特に、男性医師が女性患者さんを診察する際には、女性スタッフのシャペロンをつけることがよくあります。忙しくて病院のスタッフがすぐに同席出来ない時は、1人で診察を受けても大丈夫か、もしくは少し待ってもらってもいいかなどを聞いてくれたりもします。

患者さんが診察時に同性の付き添いやスタッフをシャペロンにつけてほしいと頼むことは、ごく自然で当たり前なことです。特に若い女性にとっては、相手の国籍や職業、社会的地位に関わらず、異性と二人きりにならないことで、予期せぬ性被害のリスクを減らすことができます。

お医者さんに失礼かな、気を悪くするかな、自意識過剰かしら、などと気にする必要は全くありません。なぜなら、医師にとっても、シャペロンをつけることは、誤解やトラブルから自身を守るための大切な手段だからです。診察時に医師がシャペロンをつけるのは、患者さんを尊重しているからこそであり、これから医師と患者が良い信頼関係を築いていくために必要なことだと理解してもらって差し支えありません。

胸のしこり、陰部のできもの、痔、おりものが増えた等、ちょっと恥ずかしいかな、と感じるような診察を異性の医師から受けることになった場合には、気軽にシャペロンつけて下さい、と頼んでみましょう。良い医師から嫌な顔をされることは絶対にありません。

病院
吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧

Dr Mayumi Yoshida

吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧

MBBS, BMedSci, MRCGP, DFSRH (UK), FRACGP (Australia), ECFMG(USA)

福岡県福岡市出身。16才の時に渡英。2003 年に英国ノッティンガム大学医学部を卒業、イギリスの医師免許を取得。2007年にアメリカの医師免許資格(ECFMG Certificate)を取得。2014年に英国オックスフォードで総合診療医/GP課程を修了、イギリスとオーストラリア両国のGP資格を保持する。2024年に日本の医師国家試験に合格し、現在イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本の4か国における医師国家資格を有する。