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ブログ – #オーストラリアの医療情報

オーストラリア、ブリスベンでの妊娠、出産について

2024-08-31

オーストラリア、ブリスベンでの妊娠、出産について

オーストラリアでは、ご加入の保険によって、妊婦検診、出産のシステムが違います。まずは、お持ちの保険が妊娠出産をカバーできるかどうかを確認しましょう。妊娠が分かった時点で、お近くのGPでの診察予約を取ってください。服用しているお薬がある場合は、続けて飲んでもよいかをGPに確認してください。

予期せぬ妊娠で、妊娠の継続を望まない場合は、9週までであればお薬での中絶、それ以降では手術を受けることになります。迷っている場合もまずはGPに相談してください。

妊娠をカバーする保険に入っていない場合は、日本での出産を前提に、万が一のことを考えて、24週前には帰国することをお勧めいたします。24週以降で早産になってしまった場合、未熟児の集中治療室での治療費はとてつもなく高額になるためです。帰国前の診察の際には、日本の産婦人科への紹介状をお出しいたします。

メディケアをお持ちの場合や妊娠がカバーされる学生保険が使える場合は、最寄りの公共病院での妊婦検診、出産になります。GPと病院で情報を共有しながら、交互に検診をすることも可能です。経過が順調な場合は、助産師さんが検診、出産を担当します。産科医はシフト制で入っており、難しいケースに対応します。医師の指定は出来ませんが、チームでしっかりと引継ぎをして回しているので問題ありません。英語に不安がある場合は、日本語の通訳さんもお願いできます。

妊娠出産もカバーしているプライベートの保険に加入している場合は、ご自身でかかりつけの産科医を選ぶことが出来ます。現地の友人や知人からお勧めの産科医を教えてもらうのもよいかと思います。GPにお勧めの産科医を聞いてみることもできます。当院では主にMater Mothers Private Hospitalの産婦人科専門医をご紹介しています。GPは、これまでの経過と検査結果を含めた紹介状を、8週から16週の間に専門医に送ります。紹介を受けた専門医はその後の経過についてGPにレターでお知らせしてくれます。最初に紹介してもらった先生の出産予約が取れなかったり、何となく合わなくてやっぱり他の先生に診てもらいたい場合は、他の先生への紹介状をお願いしてみましょう。

プライベートの産科医を選んだ場合は妊娠の定期検診は個人のクリニックに行ってもらうことになりますが、出産時には大きな総合病院での出産になります。個人のクリニックは総合病院の近くに点在しています。総合病院ではかかりつけ医以外にも医師と助産師のチームが24時間対応しており、手術室も分娩室もたくさんあります。出産の際には、新生児に対応できる小児専門医チームもすぐにかけつけてくれるのでとても安心です。夜勤も当直もきちんと交代制なので、産婦人科医が不足している日本での出産よりもしっかりした安全な体制が取れていると感じます。

Mater Private Hospital 産科医リスト https://www.matermothers.org.au/hospitals/meet-our-obstetricians/our-obstetricians?show=t&txt=&del=&gen=&opt=&lang=

吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧

Dr Mayumi Yoshida

吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧

MBBS, BMedSci, MRCGP, DFSRH (UK), FRACGP (Australia), ECFMG(USA)

福岡県福岡市出身。16才の時に渡英。2003 年に英国ノッティンガム大学医学部を卒業、イギリスの医師免許を取得。2007年にアメリカの医師免許資格(ECFMG Certificate)を取得。2014年に英国オックスフォードで総合診療医/GP課程を修了、イギリスとオーストラリア両国のGP資格を保持する。2024年に日本の医師国家試験に合格し、現在イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本の4か国における医師国家資格を有する。